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「完全初心者向け解説」知識ゼロでも分かる格安SIM講座! その2

5. SIMロックとは

 

SIMロックとは、「特定の携帯電話会社のSIMカード以外を使用できなくする」というスマホ内の設定のことで、条件は「携帯電話会社を経由して購入したスマートフォンであること」です。

 

例えば今あなたが使用しているiphoneがドコモ経由で購入したものであるならは、そのiphoneには「ドコモ以外のSIMカードが使えない」という設定がなされているのです。これが、SIMロックというものです。

 

「なんでそんなひどいことを…?」と思うかもしれませんが、これは携帯電話会社のビジネスモデルによるものです。すなわち、「本体は安く売って、通信料で稼ごう!」という作戦です。

 

iphoneであれば、Appleから直接購入することも可能です。しかし、大手キャリア契約者のほぼ100%が、Appleからではなく、各大手キャリアを経由して購入しているはずです。

 

なぜなら「その方が圧倒的に安いから」です。

 

携帯電話会社は、スマホ(昔ならガラケー)本体をメーカーから大量に購入し、それを“タダ同然”の価格で顧客に提供します。ここだけ切り取れば、携帯電話会社は当然赤字です。

 

しかし、一度契約してもらえれば、毎月の通信料が顧客から支払われます。この通信料は、はっきり言ってあまり安くはありません。そのため本体をタダ同然で渡しても、トータルでは黒字にすることができるのです。

 

携帯電話会社は、本体価格を可能な限り下げることで、新規契約のハードルを低く見せたいのです。本体分がいくら赤字になろうが、一度契約してもらえればこっちのものです。トータルで支払う料金が変わらなくでも、契約の最初に支払うお金さえ安くすることができれば、顧客に「お得!」と思わせるのには十分なのです。

 

プリンターのビジネスモデルと同じだと思ってください。プリンター本体があれだけ安く買えるのは、インクの利益率が良いからです。本来はプリンターの方が材料費や加工費、技術力向上のための開発費などがかかっているはずですが、インクの値段を高くすることでこの“入り口”の値段を安くできるのです。

 

しかし、このビジネスモデルには穴があります。それは「本体を安く手に入れたあと、すぐに携帯電話会社(プリンターならインクのメーカー)を乗り換えてしまわれると、費用の回収ができなくなる」ことです。

 

ドコモで本体を安く買った後すぐにsoftbankに乗り換えてしまうと、ドコモ側は最初の赤字を埋められないままになってしまいます。これでは、本体を安くした意味がありません。

 

そのため、携帯電話会社は「安く提供したスマホ本体を、自社以外では使わせない」ような設定をスマホに施したわけです。これが、“SIMロック”というものが生まれた経緯になります。

6. SIMロック解除

 

「じゃあ格安SIMに乗り換えたければスマホも新しくしないといけないの?結局スマホ代が高くつくじゃん!」

 

という話になるわけですが、ご安心ください。このSIMロックは解除することが可能です。

 

解除方法はいたって簡単。各携帯電話会社に「解除してください」と言うだけです。

 

「え?それだけ」と思われるかもしれませんが、それだけです。

 

そもそもSIMロックは、携帯電話会社が勝手に設定したもので、例えばスマホのメーカー(Apple, Sony, Samsung等)は一切関与していません。なので、携帯電話会社は当然、このSIMロックを解除することができます。

 

もちろん、携帯電話会社としては、SIMロックは解除したくないはずです。本体だけ持って逃げられてしまうわけですからね。

 

しかし、2015年に、「各携帯電話会社は、一定期間以上契約をした顧客からのSIMロック解除申請に従わないといけない」という法律が生まれました。これは、(ざっくり言うと)寡占市場であった携帯電話市場にメスを入れ、そこに自由競争を起こそうという国の思惑があったからです。

 

なので、あなたもSIMロック解除ができます。

 

が、条件があります。はい、上にもある通り、契約から「一定期間以上」経過していることが必要になります。

 

具体的には、「そのスマホを購入してから、だいたい101日後」です。

 

「だいたい101日後」という曖昧な表現をしていますが、これは支払いの契約形態によって異なる部分だからです。本体を一括で買ったか、分割で買ったかでも異なります。

 

ただ、おおまかな判断基準として「一括払いなら購入から101日後から」「分割払いなら全部払い終わってから」と思っておけば、そう間違えることはありません。

 

それに、契約解除に違約金が発生しない“2年縛り”の境目でMVNOに乗り換えようと思っている人であれば、まず間違いなくSIMロック解除が可能ですので、ご安心ください。

 

ちなみに、なぜ「101日」なのかというと、これが「本体を安く売った後、通信料+違約金で回収」することができるギリギリの契約日数だから、だと私は思っています(誰かに教えてもらったわけではないのであくまで推測です)。

7. SIMロック解除申請方法と解除手数料の有無

 

先の項では、SIMロックは解除できるという話をしました。

 

ここからは、申請の手段について簡単に話していきたいと思います。詳細なやり方は、調べればいくらでも出てくるので、ここではあくまで大枠のみの話にとどめます。

 

まず、SIMロック解除には、手数料がかかる“場合があります”。手数料はどの携帯電話会社でも一律で税込み3240円です。

 

手数料の有無は、SIMロック解除申請のやり方や、あなたの持っている機種によって変わってきます。以下、SIMロック解除申請のやり方を比較して並べます。

 

①Webで申請(おすすめ度:★★★★★)

パソコンやスマートフォンからの入力のみで申請ができる上、解除手数料が無料になるケースが多い。そして何よりスタッフからの引き留めなどもなくて楽。

 

ドコモの場合、“2015年5月以降発売の機種”であれば、Web申請により解除手数料を無料にできます。ただ、私がそれまで使っていたXperia Z3 は2015年5月より前に発売した機種だったので、無料で解除することはできませんでした。

 

②電話で申請(おすすめ度:★★★☆☆)

自宅から簡単にできますが、機種に寄らず解除手数料がかかります。また、電話スタッフからの引き留めがあったりするかもしれません。Webからのやり方が分かんなかった人向け。

 

③各携帯電話ショップで申請(おすすめ度:★☆☆☆☆)

ショップまで足を運ばないといけない上、解除手数料も取られます。ショップの人からの引き留めもあるかもしれません。絶対にやめましょう。

 

といった具合です。「ドコモ iphone8 SIMロック解除 Web」などで調べれば、具体的なやり方や手数料の有無は分かると思います。

 

手数料が取られることを除けば、SIMロック解除には何のデメリットがありません(手数料無料ならデメリットなし)。契約条件が不利になるとか、そういったことは一切ありませんので、ご安心ください。

 

…が、しかし。SIMロック解除をしたくない場合もあるでしょう。例えば、スマホ本体が古く、Web申請でも解除手数料がかかってしまうときなどです。

 

実は、SIMロックを解除しなくても格安SIMを利用することができるケースもあるのです。次の記事で詳しく紹介していきましょう。

 

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